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明日は『ダル・レークの恋』♪

明日は月組・赤坂ACTシアター公演『ダル・レークの恋』の千秋楽。観たかった公演ですが上演期間と緊急事態宣言期間が重なったので生観劇は諦め、自宅でライブ配信を楽しみます。

予習のため、録画してあった1997年星組版(麻路さき×星奈優里)と2007年月組版(瀬奈じゅん×彩乃かなみ)を見ました。いちばんビックリしたのは、かの有名なベッドシーンが上田久美子先生の『金色の砂漠』のベッドシーンにやたら似ていたこと——もちろん順序は逆さまです(笑)。影響を受けたんでしょうね、きっと。
そのほかにも構成上の類似点が多くて、でも作品が内包する思想はまったく正反対で、いろいろと考えさせられました。

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『ダル・レークの恋』は、気位の高さゆえに女の愛を試した男と、誇り高さゆえに男の愛を退けた女の、罪と罰の物語です。明瞭で色褪せない主題、華やかな舞台設定(ダル湖とパリ!)、緻密な構成、めくるめく展開——これぞタカラヅカ! ああ、生で観たかったなあ……


星組版と月組版では、私の好みは麻路さき主演の星組版。スケールが大きく、気品があり、骨太で繊細、<美丈夫>という言葉がぴったりのラッチマンでした。菊田一夫先生が春日野八千代に宛てて書いた宛書き作品ですから、ラッチマンは演じるスターを選びます。そしてここ10年ほどのタカラヅカで、美貌でも、気高さでも、演技力や歌唱でも、今現在の月城かなとほどラッチマンにふさわしいスターは見当たりません。


三度目の再演となる今回は、演出に若手の谷貴矢先生が入られるのも楽しみのひとつです。
谷先生の『出島小宇宙戦争』は、ヒロインが愛するのが鳳月杏演じる主人公ではなく、そのライバルでもなく、主人公の師匠である老人、という画期的な設定でした。愛に垣根がないのなら、ヒロインの愛する人が酒飲みのぐうたら老人だっていいじゃないか——新鮮で意表を衝くこの発想は、タカラヅカの取り扱う<愛>の領域を同時代に合わせて、確実に広げてくれたのではないでしょうか。

今回、谷先生はストーリーにはあまり手を加えず、ショー部分を新しくしたようです。観劇した友人の話では、下級生がたくさん登場するエピローグがとてもいいそうなので期待しています。








ことばの泉、ですって。

マルさん(那智わたる)の写真目当てでスカステ「名作 ことばの泉『シャングリラ』」を見ました。……ちょっとひどい。

「入内(じゅだい)」を「にゅうだい」と読む。
「木のまがくれ(このま・がくれ=木の間隠れ)」を「きの、まがくれに」と読む。

意味を知らずに読んでるのか? <まがくれ>って言葉があると思ってるのか? 
「ことばの泉」というタイトルが恥ずかしすぎる。

指導者をつけてください。知らない言葉は辞書くらい引いてください。



峰さを理さん


つい先ほど、twitterで峰さを理さんの訃報が届きました。
1年前、内幸町イイノホールでの『熱愛のカルナバル〜ラテン音楽大全集』公演が、私が観た彼女の最後の舞台になってしまいました。
そのときの感想をアップしていたので、以下に再録します(「内蔵助、『たまゆらの記』、マンボ深川 」2020年1月28日付)。


それからさらに数日後、内幸町イイノホールのOG公演『熱愛のカルナバル〜ラテン音楽大全集』に行きました。ちょうど峰さを理の出演回で、彼女が美翔かずきと踊る「マンボ深川」を観ることができたのですが、同じ「マンボ深川」でも、去年観た杜けあき40周年記念コンサートの「マンボ深川」とはずいぶん感じが違いました。

峰ちゃんの「マンボ深川」は切れ味が鋭い。匕首を翻すように、スパッ、スパッと踊っていきます。一方、杜けあきはやわらかい。スピードに乗って、なめらかに、滑るように踊ります。流派の違いもあるのでしょうが、それぞれの個性が出るものだなあと感心しました。

峰さを理も杜けあきも日舞が得意なトップさんでしたが、柴田侑宏先生が二人に宛てた作品は毛色がまったく違います。峰さを理には『アルジェの男』(初演は鳳蘭)、『哀しみのコルドバ』、『紫子』。杜けあきには『天守に花匂い立つ』と『忠臣蔵〜花に散り雪に散り〜』——作品のこの違いが「マンボ深川」のあの踊り方の違いに通じるようにも思えて、妙に納得してしまいました。

スカイステージの柴田侑宏セレクションは、取り上げる組を毎月変えながら6ヵ月続くそうです。1月の雪組に続き2月は峰さを理のいた星組。私は彼女主演の柴田作品をまだ観たことがありません。3本のうちどれでもいい、画質が悪くてもいいので、ぜひ放映して欲しいものです。


その後、峰ちゃん初演の『哀しみのコルドバ』『紫子』が放映されたのはうれしいことでした。

——書きたいことがまだあるような気がしますが、今は言葉になりません。
峰さを理さん。ありがとうございました。安らかにお休みください。




第73期生初舞台口上——『宝塚をどり讃歌』の銀あけみ

10月5日、宝塚スカイステージにて放映。大浦みずき主演の花組『宝塚をどり讃歌'88』はスカイステージで何度か観ていましたが、その1年前、1987年の雪組公演『宝塚をどり讃歌』は今回はじめて観ました。
雪組のこの『〜をどり讃歌』は第73期生初舞台公演です。プロローグにつづく第二場で初舞台生口上があり、口上を述べたのは当時の組長、銀あけみさんでした。画面にとつぜん銀さんがアップになって動揺しました。出演されているとは知らなかったので。

以前こちらの記事で書きましたが、銀あけみさんは私とタカラヅカを結びつけてくれたジェンヌさんです。

黒紋付に紫の裃、紫の帽子を着けた銀さんは凜々しくしおらしく、昔の新派の女優さんのようでした(先代の市川翠扇にそっくり!と思いました)。「とざい、とーざい」から始まる古風な口上を姿勢正しく美しい口跡で述べ、声を張るところは張って、歌舞伎の襲名披露でおなじみの「隅から隅までずーいと」も堂に入ったものでした。
口上が終わり、左右に居並ぶ初舞台生たちに向かって「皆さん、お客様にお願いしたからもう大丈夫よ」と話しかけるときの優しさが、私の憶えている「やさしいお姉さん」の銀さんに重なって、時間が溶けていくような感覚を味わいました。

第六場「月の抄ー影法師ー」では、銀さんのソロをたっぷりと聞くことができます。親と子か、夫婦か、愛する者の影法師と同行二人で遍路をつづける人の心を歌った歌です。しみ入るような歌唱を思いがけず聴けたのもうれしいことでした。

『宝塚をどり讃歌』は今月26日21時からもう1回放映されます。5日に見逃した方はぜひ。
今回の放映は月組が初舞台生出演の和物ショーを上演中なので、それに合わせてのことと思いますが、ほぼ1時間、ノーカットに近いカタチで流してくれたスカイステージに感謝しています。




言葉にならぬ想いの発露——星組公演『眩耀の谷』①


昨日は東京宝塚劇場で星組公演『眩耀の谷/Ray』を観てきました。ライブビューイングではない生の観劇は昨年の夏の雪組『壬生義士伝/Music Revolution!』以来でした。1年ぶり! こっちゃん、ひっとん、トップ就任おめでとうございます。

この演目は8月1日のライブ配信でも観ましたが、やはり生の舞台は情報の量も質もぜんぜん違います。とくにお芝居は、ライブ配信ではわからなかった魅力、気づかなかったテーマがビシビシ伝わってきて、(こうも違うか!)とかなりショックを受けました。知らず知らずのうちに映像にスポイルされていたのでしょうね。

私の席は2階A席最前列(7列)センター。いちばん好きな席です。でも今回は、オケボックスが暗く無人なのが目について淋しさひとしおでした。あの<かます>トランペットさえ懐かしい……

ショーの感想は後回しにして、まずは『眩耀の谷』について。

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・丹礼真が瞳花の踊るのを見て言うセリフ、「言葉にならぬ想いの発露——それが舞」。これがこのお芝居のすべて、謝珠栄先生の言いたいことのすべてだと思いました。オハナシ自体は底が浅いけど、このお芝居はオハナシを伝えるのではなく、ダンス=身体が語る何か、を伝えるものなのだと。
・だからダンス場面がとても多い→どの場面も生徒さんたちの身体が発する熱量がすさまじくて感動します。謝先生はつくづく言葉の人ではなく身体の人なんですね。
・この舞台を、たとえば日本語のわからない人が観たら、テーマがより鮮明に伝わったかもしれません。それほどにダンスに力があった。逆に言えば、オハナシが(=ロジックが)弱かった。

・そしてそのダンスは、アジア舞踊を取り入れたものが多かったです。3年前に観た謝先生の『Pukul』という作品を思い出しました。アジアの舞踊で宇宙の成立ちから生命の誕生までを描いた『Pukul』の第1部は洗練と力強さを兼ね備えたすばらしい作品で、今でも各シーンが目に浮かぶほど。
・その中の踊りのいくつかが、今回の『眩耀の谷』の踊りに生かされています。日本舞踊の布晒しに似た踊り——バリエーションでいくつかの場面に使われていました。おどけた仮面を被って踊る朝鮮の踊り——この踊りはブン族の踊りとして何回も出てきました。あと、太鼓を打ちながらの踊りも朝鮮舞踊だったと思います。ブン族の踊りは総じて朝鮮の民族舞踊を取り入れたものが多くて、それは朝鮮民族の喜怒哀楽がブン族のそれに共通すると謝先生が考えたからなのでしょう。

・ではブン族とは?というと、それは謝先生のルーツである<客家(はっか)>なのだと思います。『眩耀の谷』の時代は周の時代です。そして、客家は周の時代に戦乱から逃れて移動、定住を繰り返した民族だと言われています。
以下、wiki「客家」からの引用です。

原則漢民族であり、そのルーツを辿ると古代中国(周から春秋戦国時代)の中原や中国東北部の王族の末裔であることが多い。歴史上、戦乱から逃れるため中原から南へと移動、定住を繰り返していった。移住先では先住者から見て“よそ者”であるため、客家と呼ばれ、先住者との軋轢も多かった。


・つまり謝先生は、ご自身のルーツを重ね合わせて(あるいは投影して)この作品を作り上げた。となると、有沙瞳演じる語り部の春崇(しゅんすう)=丹礼真と瞳花の子ーは謝珠栄その人であると言えるわけで。
(つづく)



プロフィール

にゃん魚

Author:にゃん魚
   (猫魚/nian-ghio)
       ・
■OGは……■
矢代 鴻,大浦みずき
■現役は……■
愛月ひかる,天路そら
■取扱いは…■
宝塚歌劇とその周辺。かなり広範。

ネタバレは普通にあります。

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